製品情報
トラブルシューティング(溶剤形)
- 密着不良
- 塗膜と素地との密着力が乾燥直後、または経日において不足のため、塗膜が内外部の物理的な力によって亀裂、または浮き上がったり、はく離したりするものを一般的に密着不良といいます。(塗膜と塗膜間の密着不良については「相はぎ不良」の項目を参照ください)
- チェック項目
- 要因・対処方法
- 素材が変わっていませんか。
- 素材により密着性は大きく異なるので注意してください。
- 素材に適した表面処理を行っていますか。
- 素材に適した表面処理を行ってください。もし、できない場合は完全に脱脂し、サンディングかブラスト処理を行ってください。(特に、溶剤拭き脱脂の場合は、油の薄膜が残らないよう注意してください)
- 素材は肉厚のものではありませんか。
- 焼付け乾燥の場合、焼付け不足になると密着性が悪くなります。乾燥炉の温度を上げるか、焼付け時間を延ばしてください。
- 表面処理した後で、油、ほこり、シリコンなどの付着がありませんか。
- 油、シリコンであれば、処理をし直し、ほこりであれば、エアや刷毛で取り除いてください。
- 表面処理の皮膜が厚かったり、荒れたりしていませんか。
- 化成液を適正に管理してください。
薄膜タイプの表面処理に変えてみてください。
- 表面処理後の水切り乾燥は悪くありませんか。
- 水切り乾燥を完全に行ってください。特に、水切りエアブローの汚染に注意してください。
- 表面処理したものが、黄さび、テンパーなどのむらや粉がふいたようではありませんか。
- 化成液を適正に管理してください。化成液噴霧ノズルの角度、詰まりをチェックし修正を行ってください。
- 表面処理を行ってから、すぐに塗装していますか。
- 処理後すぐに塗装してください。もし時間が経過した場合は、もう一度乾燥させてください。
処理後、時間が経過するものについては、ショッププライマー(ビニレックス110アクチブプライマーなど)の利用も検討ください。
- 塗装膜厚は厚くありませんか。
- 規定の膜厚にしてください。
- 塗料の適正乾燥条件になっていますか。
- 規定の乾燥条件にしてください。
- 塗膜が黄変やつや引けしたり、硬化が標準より高くはありませんか。
- オーバーベークと考えられるので、焼付け温度、時間を適正にしてください。
- 塗膜に粘着性があったり、硬度が標準より低くはありませんか。
- 乾燥不足と考えられるので、規定の乾燥条件にしてください。
- 塗料のロットは変わっていませんか。
- ロットが変わったばかりか、古いロットのものではないか確認してください。
- 希釈シンナーの溶解力が悪くはありませんか。
- 規定のシンナーを使用してください。
溶解力のよいシンナーを使用してください。
- 塗料のかくはんは十分ですか。
- 攪拌(かくはん)を十分に行ってください。
- 異種塗料が混入していませんか。
- 新しい缶の塗料でチェックしてください。
- 塗装ブース内に、ほこり、油などが浮遊していませんか。
- ブース内の換気を良くし、清浄な空気を入れてください。
- 塗装ブースの湿度が高くはありませんか。
- ブース内の温度を上げるか、換気を良くしてください。
- 再塗装ではありませんか。
- 焼付け温度と膜厚に注意してください。
(一般に再塗装の場合、可とう性は悪くなります。)
- 塗装系は適正ですか。
- 規定の塗装系にするか、塗装系を再検討する。
- 密着不良の箇所に特徴がありますか。
- 表面処理ムラ、焼付け条件のバラツキ(乾燥程度のバラツキ)、膜厚のバラツキなどを確認し、原因を調べてください。
- 塗装されたものが高温・多湿の所や、変化の激しい所に置かれていませんか。
- 温度変化の少ない湿度の低い所に置いてください。
- 混合比は適正ですか。(2液形塗料の場合)
- 硬度不足で密着性が悪くなります。適正な混合比にしてください。